氷ノ山トレイル(3)

 エイドを出て、今度はトレイルへ。ここが驚きのコースだった。小川を渡る箇所がいくつかあり、途中、その川沿いの岸壁を伝うように歩く(これ、滑落したらかなりの負傷だよ)。その挙句、道が無くなる箇所も。(2度目のロストコースか?)つい、大声で「お〜い」と呼びかけると、岸壁の上の方から、「こっちですよ〜」なんて軽い声(こっちは必至だってのに)。足腰ドロドロになりながらエイド到着。ここからは、また、ロード+林道の下り。しかもやっぱり瓦礫道。12キロ。足腰に疲労が溜まる。次のエイド、57キロ地点。「ここからは、ゴールまでどれくらいですか?」と尋ねたら、「5キロ、ロードで第3関門です。ここからゴールは、13キロですよ」と言われた。でまた、このロードが思い切り下って、思いっきり登る区間。このエイドで順位を聞いたら、12位。登り区間になると、前に2人が見えた!(あの2人を抜いたら10位だ)じわじわと前を走る(歩く?)選手に近寄って、抜く!抜いた選手の熊鈴の音がだんだんと小さくなっていく。この激坂ロードを登り切ったところが第3関門。コーラを飲みながら、「何位ですか?」と聞くと10位。今さっき、俺より先に関門を出発した選手がそこに見えている(あれを抜いたら9位だ)。もう完走は間違いない。後は、順位と時間…、できれば8時間台でゴールしたい。「あとここから何キロですか?」とスタッフの女性に聞くと、「7〜8キロです」。俺の腕時計は8時間25分を示している。(う〜ん…)すると、主任スタッフらしきおじさん男性が、「あと2〜3キロだよ。ここで70キロ地点。だってOSJだからね」なんて言っている。俺は、救われるような気持ちで、おじさんの意見を信じたが…。